お電話でもお気軽にお問い合わせください
わが国経済は、新型コロナウイルスの影響により大きく落ち込んでいる。感染拡大と緊急事態宣言を繰り返し一進一退の状況にあったが、海外経済の回復を背景とした輸出の増加を受け製造業が堅調な一方、度重なる緊急事態宣言の発令で個人向けサービスの低迷が続くなど、業種により二極化の結果となった。
ワクチン接種が進むにつれて、感染者数が減少し消費活動が徐々に持ち直したが、2022年初めからオミクロン株により感染が急拡大し、まん延防止等重点措置が発出されたことにより、対面型サービスへの影響が継続している。
コロナ禍からの回復の遅れに加え、日本経済が抱える「需要構造の変化」と「成長力の低下」という二つの課題が顕在化し、成長力が大幅に鈍化する見通しとなっている。
コロナ後の低成長を回避するには、企業がコロナ後の経済・社会構造の変化を見据え、ビジネスモデルの変革に努めるとともに、政府も「コロナ禍で打撃を受けた企業の支援」、「人材の流動化」、「デジタル投資の促進」への取り組みを強化する必要があるとされている。
道内においても、ワクチン接種の進展による発症・感染等の抑制効果が発現してくることで、道内景気は徐々に持ち直していくと予想され、個人消費は、サービス消費を中心に持ち直しに転じ、設備投資も2年ぶりに増加し、移輸出も海外景気や国内製造業の回復を受けて増加すると見込まれている。
コロナ禍により疲弊した道内経済の回復と持続的成長のためには、豊かな自然や食など北海道の強みを活かした「北海道ブランド」の価値向上を推し進めるとともに、デジタル技術等の活用による生産性の向上や新産業等の創出、ならびにデジタル人材の育成を推進していくことも急務である。
北海道生産性本部は、会員皆さまのニーズに応えるべく、生産性運動の三原則を活動の根底に置きつつ、「労働者・使用者・学識者」の信頼と連携を基に、コロナ禍で変化した社会経済環境や事業・雇用環境等を見据えた研修メニューの充実を図ることで、イノベーションの支援と人材育成への投資がさらに促進されるよう取り組むとともに、北海道における生産性の向上に貢献するものとし、今年度は次の3項目を事業活動における重点事項として実施していくこととする。
道内産業の付加価値向上に向けたイノベーションを推進するとともに、労働生産性の向上に向けた普及啓発・支援活動を推進する。
人口減少・少子高齢化に伴う担い手不足や経済のグローバル化の進展などの激しい環境変化の中で、持続的な成長と地域活性化推進の担い手として、積極的にイノベーションに挑戦し、新たな顧客価値を創造していく各階層の人材育成の一層の充実を図る。
少子高齢化による労働力人口の減少を受け、多様性を活かすダイバーシティマネジメント、さらにはワークライフバランスやメンタルヘルスへの対応などを含め、個々が生き生きと働くための働き方改革を推進し、企業の持続的成長に繋げる取り組みを労使協働で展開する。