お電話でもお気軽にお問い合わせください

tel011-241-8591

HOME

北海道生産性本部について

生産性運動とは

生産性北海道地方本部綱領/10周年宣言(昭和45年)

要綱・宣言集 生産性北海道地方本部綱領/
10周年宣言
1970年(昭和45年)

生産性北海道地方本部綱領(昭和45年)

生産性北海道地方本部は、道内の生産性運動のセンターとして、北海道における生産性の向上と道民福祉の充実のために広く活動を展開してきた。

ここに創立10周年を迎えるにあたって、新たな決意をもって北海道の真の繁栄と道民の豊かなる生活を実現すべく、生産性運動をより強力に推進する。そのための行動の指針となるべき綱領の大綱をのべる。

生産性北海道地方本部 
創立10周年記念事業理論委員会

  • 委員長杉野目 晴貞(北海道大学名誉教授)
  • 委 員伊藤 森右衛門(小樽商科大学教授)
  • 委 員酒井 一夫(北海道大学教授)
  • 委 員坂本 幸丸(札幌青年会議所理事長)
  • 委 員平井 和男(王子製紙苫小牧新労働組合委員長)

生産性北海道地方本部
10周年宣言

1.前文

1.わが国経済の回顧と生産性運動

北海道の生産性運動は、多大の成果をおさめてここに10年を経過した。
かえりみてこの10年間は、わが国の経済が世界の一流先進国に跳躍した極めて歴史的意義の深い時期であった。
技術革新をてことした高度成長の持続は、国際的にも瞠目すべきものであったが、この間物価の高騰、公害の増大などが高度成長の歪みを生じ、又人間の価値観の変化に伴う人心の混迷は、深刻な問題となりつつある。
生産性運動の目標が、豊かさへの挑戦であるとき、高度の技術革新と大規模組織の効率的活用は必須のものであるが、それは又同時に人間疎外をもたらすものであってはならないのであり、ここに生産性運動の新たな課題があるといえる。

2.未来への挑戦と生産性運動

今や「貧困」にかわる「豊かさ」が、「生活水準の向上」にかわる「精神的充足」が、新しい基準となる時代を迎えつつある。
物質的な豊かさは人間の幸福のために不可欠の条件であるが、それは人間生活のすべてを包含するものではない。
かくて、生産性運動の基本的理念は、人間尊重に基礎をおくものでなければならない。
わが国経済の主導はいうまでもなく産業であり、自立的な産業の発展こそ、わが国の飛躍的な発展に貢献したものであることは疑いない。
しかしながら、その産業は今新たなる挑戦に応えていかなければならない。
ひずみの克服はもとより、未来社会の主体としての役割を真に問われているのである。
1970年代の社会は脱工業化社会とも、国際化社会とも呼ばれているが、いずれにせよ、われわれにとって未踏の社会である。
この社会に向かってとりくむすべての生産性運動の推進者は、限りなき進歩と社会正義の実現への不動の決意を一層必要とするであろう。

3.北海道総合開発と生産性運動

生産と生活の調和をめざす第3期北海道総合開発計画は、まさしく生産性運動の理念に一致する。
北海道は石炭、木材などの原始資源を中心に開発されて来たが、今その時代は終わりをつげ、経済性の高い新たなる産業開発を求めつつある。
広大な土地、余裕ある人口密度は過密と公害に悩む本州大都市に見られぬ格好の工業基盤であり、又雄大な自然環境は文化学園都市として最もふさわしい風土にある。
まさしく人間と環境の調和ある発展を最も期待出来るわが国における唯一の地域であるといえる。
北海道の生産性運動は、豊かな道民生活をめざす北海道開発への強力な推進力にならなければならない。
以上の観点にたってつぎの綱領を定め、生産性運動の飛躍的発展を期したいと考える。

2.要綱

  • 1.われわれは生産と福祉の調和する経済社会の実現のために生産性運動の積極的な展開を期する。
  • 2.われわれは新技術を創造し、経営の革新をはかって人間性豊かな生活の実現に努力する。
  • 3.われわれは労使の協力によって、生産性の向上をはかり、その成果をひろく社会に還元する。
  • 4.われわれは未来へ挑戦する活力と信念をもつ人材の育成に努力し、生産性意識を昂揚する。
  • 5.われわれは「生産と生活の調和」をめざす地域社会の建設に積極的に参加し貢献する。

右宣言する。
昭和45年7月15日

生産性北海道地方本部
創立10周年記念事業理論委員会
生産性北海道地方本部