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会長挨拶

2024年 年頭挨拶

会長 瀬尾 英生

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。
 旧年中は、当本部ならびに各地区支部の活動に対しまして、格別のご支援とご協力を賜り、心より感謝と御礼申し上げます。

 昨年は新型コロナウイルス感染症が5類に移行され、足元では観光の回復基調をはじめ経済活動が正常化しつつあり、ウィズコロナの生活スタイルの定着とともに、街中には賑わいも戻ってきたように感じています。

 また、昨年の北海道においては、9月に「アドベンチャートラベル・ワールドサミット」が開催されました。文化や伝統を尊重しながらの体験型ツーリズムの推進は、北海道の魅力的な複合コンテンツの提供を通して、道内外からの滞在客や観光消費額の増大に貢献するものと期待しています。さらに、基幹産業である農林水産業との融合によって、「食と観光」コンテンツをプレミアムな商品群として押し出し、国際的な競争力も更に高まるでしょう。このほかにも、次世代半導体工場や大型データセンターの進出表明といった新たな動きも見られた年でした。北海道の産業を厚みのある構造に変えていくチャンスが訪れたと捉えています。

 一方で、資機材をはじめとした原材料費の高騰や人材不足への対応の遅れが継続し、「2030年冬季オリンピック・パラリンピック」誘致断念による影響も懸念されます。さらに北海道は全国を上回るスピードで人口減少が進展しており、インフラ・交通・住民サービスの低下などの課題が顕在化していく虞があります。足元での対応とともに、中長期的な観点からもいろいろな手を打っていく必要があります。

 このような中、昨年の当本部事業では、普及啓発を目的とした「生産性セミナー」や「労使フォーラム」に加え、4年振りとなる日本包装技術協会との共催による企業見学研究会を開催したところ、定員を超える申し込みをいただきました。また、コロナ禍により見送ってきた海外研修を再開し、ベトナム・ホーチミンにて国際交流と多くの学びの機会を得ることが出来ました。このほかにも、企業派遣研修では昨年と比べて2倍近くの受講者数となる等、長らく縮小・中止となっていたリアルな場面での事業が総じて盛況でした。なお、道内7地区支部においても、各種セミナーや見学会などを精力的に企画・開催していただいております。事務局では、会員ニーズを先取りし、メニューの充実に努めてまいりたいと考えておりますので、皆様の積極的な参加をお願い申し上げます。

 さて、2024年の干支である辰年は、時代を動かす「変革」や「激動」の年と呼ばれているそうです。コロナ禍を契機に、「東京一極集中の是正」、「DXの加速」や「カーボンニュートラル」など、北海道では今まさにパラダイムシフトともいえる変革の動きが生じてきています。これらは、企業移転や移住、脱炭素社会の実現など、北海道の地域特性と豊富なポテンシャルを活かす絶好の機会でもあります。そして、実現に向けた原動力となるのは“人”であり、人材の持つ知識・技能・創造力といった人的資源は、様々なイノベーションを生み出す源泉です。当本部では昨年、第9期目となる「経営幹部育成塾」を全5講・4か月間にわたって開講しました。北海道が抱える諸課題の解決方策を受講生が自ら考え、それを自社のビジネスと事業の中で展開してもらう等、座学にとどまらないチャレンジ人材の育成を目指した取り組みです。

 「良く学び、力を合わせる、常に地域のことを考える」は人を育む基本だと考えています。新年度も、多様な人材が異なる価値観やアイディアを受容・尊重し、様々な分野で働きがいを感じながら、多彩な能力や強みを最大限発揮して活躍できるよう支援と取り組みを進めていく所存です。引き続き、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 本年が皆様にとりまして、良き一年となりますようご祈念申し上げ、年頭にあたってのご挨拶とさせていただきます。

2024年1月
会長 瀬尾 英生